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“Yes, I have a number.”
今回のエントリーのタイトルですが、直訳すると「はい、私は数字を持っています」ということで、何のことを言っているのかよく分からないですよね。実は、これは英語圏の人々が円周率を憶える方法の一つなのです。
どういうことかというと、“Yes”なら3という具合に、各単語を構成する文字の数が円周率の数字に対応しているのです。日本では、円周率=3.14というのがある年代までの人々の共通認識だと思いますが、上記の方法だと3.1416まで憶えられます。もっとも、四捨五入しなければ、3.1415(9265…)がより精度の高い値ですので、あくまで近似値ではあります。
日本語では、平方根の覚え方としてよく知られる「一夜一夜に人見頃」「人並みに奢れや」「富士山麓鸚鵡鳴く」等に代表されるように、数字を一文字の平仮名に置き換えるという方法をとることで、長い数列を記憶するという方法があります。電話番号などでも、歯科医が4182(良い歯に)などの憶えやすい番号を使用することは珍しくないですね。一方、英語は構造上そうした簡潔な置き換えが難しいため、今回の“Yes, I have a number”のような方法になってしまいますが、「Yesが3文字でIが1文字で・・・」といったことを考えなければ数字が出てこないため、平仮名への置き換えほどスムースに呼び出せない気がします。
そんなわけで、例えば殆どの大人が九九を言える日本のような国はむしろ珍しくて、アメリカなどでは九九の覚束ない大人も珍しくありません。簡単に憶える方法が無いのですから当然と言えば当然です。もっとも、インドでは、小学一年生の段階で20の段(20×20)や40の段(40×20)を勉強するそうですから(さすがゼロを発見した国ですね)、言語構造だけでは計れない部分もあるかもしれません。