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suggested reviewers(推薦査読者)の選定
論文を無事書き終えて、「いざ投稿」となったところで投稿規程を見てみると、「suggested reviewers(推薦査読者)を挙げること」の文言を発見。これが規程に入っていると、幾人かsuggested reviewersを挙げない限り投稿が完了できないので、困ってしまった方もいらっしゃると思います。
このようなとき、投稿しようとしているジャーナルで既に発表されている(自分の論文と関連の高いもの)論文の著者を推薦したり、投稿しようとしている論文の参考文献欄に含まれている論文の著者を推薦したりすることで対応することが可能ですが、常識的に考えて、自分と同じ施設に所属する研究者等のように、「不適切な便宜」が図られかねない人物をsuggested reviewerに挙げることは好ましくないということは分かると思います。
ジャーナル側からすれば、余計な人間関係の可能性をできるだけ排除して査読者を割当てたいところですが、そうなると、「著者自身と同じ国籍の人物を挙げること」すら避けるべき対象となります。実際、Lung Cancerというジャーナルは、少なくとも1人は違う国籍の人を挙げることを要件としています。
“Authors should supply the names and email addresses of up to three potential reviewers for their manuscript, at least one of which must be in a different country.”
同誌では、最大3人まで査読者を推薦することに加え、そのうちの最低1人を外国の人物とすることを定めているわけです。査読の公正さを少しでも高めようという意図が読みとれます。
最後に、少し話が脱線するのですが、上記の規程文は二通りの意味にとれるような気がします。例えば、投稿者が日本人の場合、「全員が日本人で構成された査読者3人を挙げてはならない。少なくとも3人のうちの1人は日本人以外でなければならない」というのは間違いないと思うのですが、では、投稿者が日本人以外の場合、「全員が日本人で構成された査読者3人を挙げること」はセーフなのでしょうか? それともアウトなのでしょうか? おそらく上記の規程の意図するところは「アウト」だろうと推測されるのですが、「投稿者」と「査読者3人」の国籍は異なっている(different)わけで、問題ないという解釈も成り立つように思われます。