top of page
  • Writer's pictureTopnotch

suggested reviewers(推薦査読者)の選定

論文を無事書き終えて、「いざ投稿」となったところで投稿規程を見てみると、「suggested reviewers(推薦査読者)を挙げること」の文言を発見。これが規程に入っていると、幾人かsuggested reviewersを挙げない限り投稿が完了できないので、困ってしまった方もいらっしゃると思います。


このようなとき、投稿しようとしているジャーナルで既に発表されている(自分の論文と関連の高いもの)論文の著者を推薦したり、投稿しようとしている論文の参考文献欄に含まれている論文の著者を推薦したりすることで対応することが可能ですが、常識的に考えて、自分と同じ施設に所属する研究者等のように、「不適切な便宜」が図られかねない人物をsuggested reviewerに挙げることは好ましくないということは分かると思います。


ジャーナル側からすれば、余計な人間関係の可能性をできるだけ排除して査読者を割当てたいところですが、そうなると、「著者自身と同じ国籍の人物を挙げること」すら避けるべき対象となります。実際、Lung Cancerというジャーナルは、少なくとも1人は違う国籍の人を挙げることを要件としています。


“Authors should supply the names and email addresses of up to three potential reviewers for their manuscript, at least one of which must be in a different country.”


同誌では、最大3人まで査読者を推薦することに加え、そのうちの最低1人を外国の人物とすることを定めているわけです。査読の公正さを少しでも高めようという意図が読みとれます。


最後に、少し話が脱線するのですが、上記の規程文は二通りの意味にとれるような気がします。例えば、投稿者が日本人の場合、「全員が日本人で構成された査読者3人を挙げてはならない。少なくとも3人のうちの1人は日本人以外でなければならない」というのは間違いないと思うのですが、では、投稿者が日本人以外の場合、「全員が日本人で構成された査読者3人を挙げること」はセーフなのでしょうか? それともアウトなのでしょうか? おそらく上記の規程の意図するところは「アウト」だろうと推測されるのですが、「投稿者」と「査読者3人」の国籍は異なっている(different)わけで、問題ないという解釈も成り立つように思われます。

Recent Posts

See All

以前のブログにおいて、「Accessed 10 June 2019」のような、前置詞を省略した表記について書きましたが、今回はそれにまつわる内容になります。 日付の前に置く前置詞は一般にonであることはみなさんご存じかと思いますが、それを省略できる場合が意外に多いのです。具体的に言うと、”on that day”、”on the previous day”、”on the following da

論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。 「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」 こんな疑問を持ったことはないでしょうか。 その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理している

多くのジャーナルが論文の単語数に上限を設けていますが、これに従うのが難しいことがよくあります。毎回、簡潔な論文を書くのに四苦八苦される先生も多いことでしょう。なんとか単語数制限をクリアし投稿できたとしても、査読者から「Methodsの情報が足りない」「この既発表論文についても考察せよ」等の指摘をうけ、大幅な追記を余儀なくされることは珍しくありません。では、その際、追記によって当初の単語数制限を超え

bottom of page