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Methodsはとにかく詳しく書く
“It is better to put too much information into the methods section than to be too brief.”(「方法」の項は、簡潔すぎるくらいなら詳細すぎるほうがましである)
この文は、David J Pierson氏の“The Top 10 Reasons Why Manuscripts Are Not Accepted for Publication”(Respiratory Care, 2004;49(10):1246-1252)にあった一文です。なぜこの文を引用したかと言いますと、Methodsが十分に書けていない論文を頻繁に目にするからです。
Methodsは、読者が同じ研究を再現できるくらい詳細に書かれているのが理想、いや原則です。そうでなければ、結果の妥当性を確認することができないからです。しかし、論文の著者は当該研究を実施した張本人であるだけに、読み手の立場を考えることなく、簡潔すぎるMethodsを書いてしまうことが多いのです。自分や共同研究者の間では当たり前のことでも、第3者にとってそうではないということはいくらでもあります。査読者のコメントで、研究デザインの詳細記述が不十分であることを指摘される例はしょっちゅう目にしますが、「Methodsが詳しすぎる」などと指摘されているのを見ることはあまりありません。
もしかしたら、投稿規程に単語数制限があり、その枠内に収めるためにMethodsを簡略化しようとしているのかもしれません。しかし、本当に簡略化する前によく考えるべきです。FigureやTableを見ればわかる所見を、ずらずらとResultsに列挙していませんか? 論文の趣旨と直接関係のない論文をIntroductionやDiscussionでいくつも引用していませんか? Resultsで述べたことをDiscussionで繰り返したりしていませんか? Methodsを削る前に、これらを確認すべきですし、極端なことを言えば、Methodsは最初から簡略化の対象からはずすくらいのつもりで臨むべきです。
それでも「Methodsが長すぎないかな」と心配な方はどうぞご安心ください。実は冒頭で紹介した“It is…”の文には続きがあります。
“Detail deemed unnecessary can always be removed prior to publication.”