• Topnotch

lessとfewerの違いを弁える

今回の記事のタイトルにある「弁える」ですが、この読み方はわかりますか? 先日テレビのクイズ番組を見ていたら、この読みを答えさせる問題が出ていましたが、意外に多くの方がわかっていないようでした。正解は「わきまえる」です。


さてこのブログは日本語に纏わるトピックは扱っていませんので本題に入りましょう。


最近校正をさせていただいた論文の中に以下のような文を見つけました。


“This drug caused less serious adverse reactions than the control drug.”


前後関係を確認したところ、この文の意図するところは明らかに「本薬が引き起こした重篤な副作用は対照薬に比べて少なかった」でしたが、この英文はそういう意味になっていません。


なぜだかわかりますか?


そうです、ここではlessではなくfewerを使わなければならないのです。lessとfewerがあたかも入れ替え可能なもののように考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、その考えは今日を機に改めましょう。


文法的に言えば、lessは形容詞にも副詞にもなれますが、fewerは形容詞です。また、lessは形容詞として使う場合でも、通常は不可算名詞にしかつけません。つまり、less sugarと言うことはできても、less drugsとは言わないのです。


上記の英文において「少なかった」のは“reactions”すなわち可算名詞ですから、それに対応する形容詞はlessではなくfewerでなければならないのです。さらにlessには副詞の意味もあるため、less seriousと書いてしまうと、「重篤度が(比較的)低い」という意味の正しい英語になってしまいます。このため、文脈が一切ない状態で上記の文を読むと、「副作用の重篤度は本薬のほうが対照薬よりも低かった」としか読むことができません。


このように、lessとfewerの混同は、単なる文法的な問題だけでなく、意図しない情報を伝達することにもなりかねないので、注意深く使い分ける必要があります。


Recent Posts

See All

前置詞の意図的な省略 その2

以前のブログにおいて、「Accessed 10 June 2019」のような、前置詞を省略した表記について書きましたが、今回はそれにまつわる内容になります。 日付の前に置く前置詞は一般にonであることはみなさんご存じかと思いますが、それを省略できる場合が意外に多いのです。具体的に言うと、”on that day”、”on the previous day”、”on the following da

“et al.”がもたらすメリット

論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。 「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」 こんな疑問を持ったことはないでしょうか。 その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理している

reviseの結果、単語数制限を超えてもよいのか?

多くのジャーナルが論文の単語数に上限を設けていますが、これに従うのが難しいことがよくあります。毎回、簡潔な論文を書くのに四苦八苦される先生も多いことでしょう。なんとか単語数制限をクリアし投稿できたとしても、査読者から「Methodsの情報が足りない」「この既発表論文についても考察せよ」等の指摘をうけ、大幅な追記を余儀なくされることは珍しくありません。では、その際、追記によって当初の単語数制限を超え

所在地

    

    トップノッチ・コミュニケーションズについて

 

トップノッチは、生物医学分野に特化した論文翻訳・校正とその投稿に関するコンサルタントサービスを提供しており、お客様のほぼ全てが日本国内の研究者とその卵です。トップノッチの強みは、専門分野に秀でたネイティブの校正者による校閲に加え、雑誌社と翻訳会社の双方での勤務経験を有する投稿論文コンサルタントにより投稿の各ステージにおけるサポートが受けられるという点にあります。大手企業にありがちな杓子定規な対応をせず、それぞれのお客様の状況にあわせ親身になって支援させていただきます。

Copyright © 2013-2019 Topnotch Communications. All rights reserved - 翻訳・英文校正

〒114-0032
東京都北区中十条1-3-18-304
サンヒルズ

Topnotch Communications

Tel: 050-3578-8875
Eメール: 

  • Wix Facebook page
  • Wix Twitter page
  • Wix Google+ page