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followingとfollowed byの混同
followingを前置詞afterの代わりに使用する方が多いですが、これはあまりお奨めできません。followingという語には名詞や形容詞の役割もありますから、前置詞としての「~の後に」の意味はafterに任せるべきです。このことは、ノンネイティブの論文執筆者にこそ伝えたいポイントでもあります。というのも、あまりにもfollowingを不用意かつ頻繁に使用してしまうがために、“following”と“followed by”の混同が起こりやすくなっているからです。
Chemotherapy following antiemetic treatment
Chemotherapy followed by antiemetic treatment
上記の2つのフレーズでは、化学療法と制吐治療の実施順が逆になりますが、文の構成上はどちらも化学療法が先に出てきます。“following”と“followed by”が真逆の意味になることに留意することも大切ですが、それ以前の問題として、「~の後に」を意味するときにはafterを用いるべきです。
“followed by”とすべきところが“following”となっても文法上おかしくはないだけに、著者の意図しない記述が査読者等に見過ごされて世に出てしまうリスクも十分にあります。