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“et al.”がもたらすメリット
論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。
「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」
こんな疑問を持ったことはないでしょうか。
その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理していると、この“et al.”がもたらす隠れたメリットに気付くことがあります。
参考文献欄に文献を列挙する際、各文献の著者名を何人まで記載すべきかは投稿規程ごとに異なります。すべての著者名を漏らさず記載すべきとするジャーナルがある一方で、3名を超える場合は4人目以降を省略するスタイルも一般的です。
4人目以降を省略するスタイルの場合、たとえ全体の人数が4人であっても10人であっても4人目以降は一律省略することになります。
例えば、
Lennon J, McCartney P, Harrison G, et al.
という感じです。
このとき、もし”et al.”の代わりに”and others”を使うとどうでしょうか。
Lennon J, McCartney P, Harrison G, and others
“others”にsがついていることからも、最初の3人以外に最低でも2人はいるような印象を受けます。4人しかいない場合にこの表現を使用してしまうと、不自然さは避けられません。
つまり、こうした場面で”et al.”を用いることで、”and others”を書くことにより生じる直感的な不自然さを和らげることができているのです。