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Catheter Abrasion??
先日、新元号が「令和」となることが発表され話題になりましたが、職業柄、そのとき真っ先に思ったのは「アルファベット表記はどうなるのかな」ということでした。とはいえ、何ら迷うことなく"Reiwa"となるであろうことは想像できましたが、多くの日本人は英語の聞き取りや発音においてLとRの区別が得意ではないので、綴りの点で統一して使われるのであればよいのかなと思いました。
さて、最近みかけた綴りの間違いに、"catheter abrasion"というのがありました。著者は"catheter ablation"と書きたかったはずですが、後ろの単語を書き間違えてしまったようです。最終化前にスペルチェックを行ったのかもしれませんが、abrasionもablationも実際に存在する単語ですから、スペルミスとしては認識されないでしょう。あるいは、もともとabrasionとablationが別々の単語であるという認識がなく、「アブレーション」という発音の英単語がただ一つ存在するものと考えていたのかもしれません。
そもそもabrasionとablationは似ているのか、という話ですが、
決して似ていなくはないと思います。
しかし、よく見ると双方の綴りは1か所のみならず2か所異なっています。発音を比べても、前者はR、後者はLという違いがあるうえ、前者の発音は(あえてカタカナで書くと)「アブレイジョン」に近いので、十分区別はつくはずです。にもかかわらず混同してしまうのは、やはりLとRの聞き取りが日本人にとって難しいから(というよりカタカナではそもそもこの両者を区別していないから)というのがあるのかなと感じます。
ややこしいことに、上記の「アブレイジョン」に関しても、英語のネイティブスピーカーの発音は一様ではなく、「アブレイション」に近い発音をする人もいますので、慣れないうちは聞き分けるのが難しいかもしれません。日本人にとって、abrasionとablationは十分似ているといえるのだと思います。