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Authorship Proliferation
以前もどこかで触れたかもしれませんが、とにかく近年は一つの論文に名を連ねる著者の数が増える傾向が顕著です。一部では、"authorship proliferation"などとも呼ばれている状況です。もっとも、このこと自体が直接問題になるわけではないですが、著者の立場からすると、たくさんの共著者をどういう順番で並べたらよいのか、悩んでしまうこともあるでしょう。後で厄介な問題に発展しないよう、早めに相談して決めておくのが得策というのはよく言われることです。
複数の著者で構成される論文の場合、当該論文の執筆全般に最も貢献した人の名が最初に書かれる(first authorとなる)のは言うまでもありません。一方、国や分野によっても違いはあるでしょうが、最後に名を連ねる著者は、教授やプロジェクトのリーダー、研究費の獲得に貢献した立場の上の人である(last authorとなる)ことが珍しくありません。少なくとも日本では、研究業績評価の歴史的背景から、そのような傾向が明確にあります。分野によっては依然としてアルファベット順で並べることもあるようですが、生物医学の分野においては、参考文献欄の並び順にしてもアルファベット順ではなく引用された順に列挙するバンクーバースタイルが主流になっています。
話は逸れますが、「単純に貢献度の大きい順に並べる」というコンセプトと通じるかどうかわかりませんが、筆者が子供のころに聴いていた洋楽アーティストのアルバムのいくつかは、一曲目からシングル曲が惜しげもなく登場してくる反面、後半になってくると「捨て曲」といっても差し支えないような曲が多かったような気がします。邦楽のアーティストは、意外とアルバムの最後に売れたシングル曲を配置してあったりして、トータルでアルバムの構成を練っている跡が見て取れた(聴いて取れた?)のに、洋楽アルバムはなんでこんなに味気ない並びなのだろうなどと思ったものです。これに関してはあまり共感してくれる方がいないかもしれませんが。