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雑誌のランキングとネット的な価値観
アイゲンファクター(Eigenfactor)というのをご存知でしょうか。インパクトファクターのことは多くの研究者がご存じだと思います。実際、日本国内の研究者の間ではIFなどと短縮化して呼ばれる一般的な存在であり、論文がインパクトファクターの高い雑誌に掲載されることは非常に名誉なことと考えられています。
インパクトファクターは、ある雑誌に掲載された論文が他の雑誌に何度引用されるかに基づいて算出されます。どの雑誌に引用されようが、とにかく引用は引用ということでカウントしていきます。これに対しアイゲンファクターは、「重要な雑誌からより多く引用される論文を掲載した雑誌は、より重要である」との基準に基づいて重みづけがなされています。
何かどこかで聞いたことがあるような基準だと思いませんか?
そうです。アイゲンファクターはGoogleのページランクに近いアルゴリズムで成り立っているのです。インターネットサイトのSEO(ネットで検索されるときにできるだけ上位に表示されるように工夫すること)に興味のある方はご存知だと思いますが、ウェブサイトも、単に他のウェブサイトからリンクされるよりも、人気の高いウェブサイトから多くリンクされることのほうが(SEO的に)価値があるとされます。
アイゲンファクターは2007年に提唱された比較的新しい尺度です。インパクトファクターの値との間にどの程度の差や相関性があるのか(ないのか)といったことが今後明らかになってくると、アイゲンファクターがインパクトファクターにとって代わる、あるいは一過性のもので終わるのかもしれません。今まで以上に電子出版が一般化し、全ての雑誌が当たり前のように個々のウェブサイトを運営する時代がきたとしたら、そのときは、あるジャーナルサイトのネットにおけるプレゼンスは、出版する雑誌のアイゲンファクター(あるいはそれに類する指標)と非常に高い相関性を持つものになるのかもしれません。
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