top of page
  • Writer's pictureTopnotch

論文の中にも時間の流れは存在する

読者が論文を冒頭のセクションから順に読み進めていくとき、Introduction、Methods、Results、Discussionと進んでいくわけですが、そこには当然、時間の経過というものが存在します。つまり、Discussionを読んでいる時点では、すでにIntroduction、Methods、Resultsは読み終えているのが前提であり、それら3セクションは、Discussionを読んでいる時点を起点とすると、「過去」(30秒前であろうと1時間前であろうと)に読まれたことになります。


日本語で書く場合でも、今まさに書いているセクションよりも前のセクションで記載した内容に言及するときは、「前節で述べたとおり」のように過去形で表現しますが、これは英語で書く場合でも同じです。


As we mentioned in the previous section,…


上記の表現は「前節で述べたとおり」という日本語をほぼ一致しているため違和感がないかもしれませんが、以下のフレーズはどうでしょうか。


The previous chapter looked at the outline of…


“we”ではなく“chapter”という無生物が主語になっている文ですが、この場合でもやはり時制は過去形になるというのがポイントです。

Recent Posts

See All

以前のブログにおいて、「Accessed 10 June 2019」のような、前置詞を省略した表記について書きましたが、今回はそれにまつわる内容になります。 日付の前に置く前置詞は一般にonであることはみなさんご存じかと思いますが、それを省略できる場合が意外に多いのです。具体的に言うと、”on that day”、”on the previous day”、”on the following da

論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。 「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」 こんな疑問を持ったことはないでしょうか。 その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理している

多くのジャーナルが論文の単語数に上限を設けていますが、これに従うのが難しいことがよくあります。毎回、簡潔な論文を書くのに四苦八苦される先生も多いことでしょう。なんとか単語数制限をクリアし投稿できたとしても、査読者から「Methodsの情報が足りない」「この既発表論文についても考察せよ」等の指摘をうけ、大幅な追記を余儀なくされることは珍しくありません。では、その際、追記によって当初の単語数制限を超え

bottom of page