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論文の中にも時間の流れは存在する
読者が論文を冒頭のセクションから順に読み進めていくとき、Introduction、Methods、Results、Discussionと進んでいくわけですが、そこには当然、時間の経過というものが存在します。つまり、Discussionを読んでいる時点では、すでにIntroduction、Methods、Resultsは読み終えているのが前提であり、それら3セクションは、Discussionを読んでいる時点を起点とすると、「過去」(30秒前であろうと1時間前であろうと)に読まれたことになります。
日本語で書く場合でも、今まさに書いているセクションよりも前のセクションで記載した内容に言及するときは、「前節で述べたとおり」のように過去形で表現しますが、これは英語で書く場合でも同じです。
As we mentioned in the previous section,…
上記の表現は「前節で述べたとおり」という日本語をほぼ一致しているため違和感がないかもしれませんが、以下のフレーズはどうでしょうか。
The previous chapter looked at the outline of…
“we”ではなく“chapter”という無生物が主語になっている文ですが、この場合でもやはり時制は過去形になるというのがポイントです。