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腫瘍マーカーであって腫瘍メーカーではない
癌の進行とともに増加する生体因子を腫瘍マーカーといいます。こちらのブログをご覧いただいている方のほとんどはご存知かと思いますし、当然オンコロジー関係の論文では頻繁に用いられます。
悲しいことに、腫瘍マーカーを表すtumor markerをtumor makerと綴ってしまうケアレスミスに遭遇したことが何度かあります。しかも発表済みの論文においてです。微小な癌の存在をつきとめる有効なツールであるはずの腫瘍マーカーが、“腫瘍メーカー(腫瘍の作り手)”にされてしまうのはあまりに残念です。さらに、この間違いは、日本人や中国人、韓国人に典型的にこそ見られる間違いですが、ネイティブの著者はほとんど犯さない間違いでもあります。“a”があるかないかだけの違いとはいえ、markerとmakerの発音はまったく違いますから混同しようがないのです。このことは、普段から発音を意識しながら読んだり書いたりすることの効用を裏付けるものでもあります。
この手の間違いはコンピュータのスペルチェッカーではなかなか拾いきれませんが、トップノッチの英文校正ではきっちり指摘・修正することができます。