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「結果は過去形で書く」の原則が行き過ぎた例
論文のResultsすなわち「結果」の項は、もっぱら過去形を用いて書きます。当然、論文の書き方に関する指導を受けた方々も、そう教わったはずです。とはいえ、Reultsで使用する動詞が100%過去形になるわけではありません。先日、おそらくはこの教えを忠実に守りすぎたと思われる例に遭遇しました。
Table 1 showed the baseline characteristics of the patients.
Changes in body weight were shown in Figure 2.
これらはResultsで一般に見られる文にそっくりですが、過去形になっているところが決定的におかしいです。結果を過去形で書く理由は、「研究結果の出たタイミング」が「論文執筆のタイミング」より前だからであり、それ以上でもそれ以下でもありません。TableやFigureへの導入文はいわばそれ自体が論文を構成するものであり、それ以前からあったものではありませんから、通常、過去形で書くことはありません。
上記の例は明らかなミスであることが読み手もわかるのでまだ大した問題になりませんが、過去形は、文脈によっては「過去はそうだったが今はそうではない」という意味を暗示しますので注意が必要です。