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意外に迷ってしまうカンマの要・不要
関係詞の制限用法と非制限用法においてカンマの有無が意味を持つことは良く知られており、この点で誤る方はそう多くないように思います。しかしその他の部分では、必要のないところにカンマを入れてしまったり、必要なところにカンマを使わなかったりする日本人著者の方がいらっしゃいます。これは、読点の使い方がある程度書き手に委ねられるという日本語のファジーさに由来する部分が少なからずあるように思われます。ただ、英語のカンマに関しては、「あってもなくてもよい」というほど大雑把なものではありませんので、適切な使い方を身につけておくことが望ましいといえます。
まず、意外に知られていないというか、守られていないケースも多いのですが、文中に挿入される地名や肩書、年号などは、カンマで区切るのがよいとされています。
James Smith, Ph.D, delivered a keynote speech at the symposium.
This drug was discovered on January 1, 2014, by ABC Pharmaceuticals.
The investigator has lived in Shinjuku-ku, Tokyo, for the last several years.
上記の文のうち、“Ph.D”、“2014”、“Tokyo”の後ろにあるカンマはいずれも必要なものです。
ただし2番目の年号に関しては注意すべきことがあります。こちらの例では「月日+年」が記されていますが、「月+年」のみ表記するときは、カンマは必要ありません。つまり、
This drug was discovered in January 2014 by ABC Pharmaceuticals.
となります。(ちなみに前置詞もonからinに変わっています。)