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情報量の少ない図表なら無いほうがマシ?
論文において図表の果たす役割は決して小さくありません。Table(表)は、例えば臨床研究における患者背景データを網羅的に示すうえで欠かすことができないものですし、Figure(図)も、時系列に沿った変化や全体に占める割合などを視覚的に分かりやすく見せるのに非常に役立ちます。
しかし、日々多くの論文を見ていると、稀に「図示するほどのものではない」と感じられるものに遭遇することがあります。典型的なものとして、治療群と対照群それぞれの値(例えば疾患の再発を呈した患者の割合)を一本ずつの棒グラフで示しただけのものが挙げられます。パワーポイントのスライド一枚に、太い大きな棒が2本立っているだけのシンプルすぎる図です。明らかに英文1センテンスで表現できる程度の情報であるにもかかわらず一つの図にしてしまった悪い例ということができます。
残念ながら、文法的な側面だけをチェックしがちな一般的な英文校正サービスですと、こうした図表の問題点は看過されてしまうことが多いようです。Topnotchでは、論文がアクセプトされ世に出るのをサポートすることをモットーにしているので、このような点についても指摘させていただくことがあります。
図表に関しては、投稿前に「本当に必要か?」と自問することが非常に有効です。綺麗にまとまった図表は確かに魅力的であり、出来が良いと割愛するのが惜しい気持ちもわかるのですが、そこは落ち着いて判断しましょう。Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemiaという雑誌はその投稿規程の中で、この点について以下のようにシンプルな指針を示してくれています。参考にしてみてはいかがでしょうか。
“Tables/ illustrations should not include data that can be given in the text in one or two sentences.”(本文において1~2文で示せるデータであれば、表や図で提示しないこと。)