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図作成における色の使用のススメ

一昔前、紙のみでのジャーナル発行が当たり前だった時代には、色付きの図(color figure)を投稿することには若干のハードルがありました。印刷においては、色を使用することでコストが格段に上がるため、color figureを含む論文を投稿しアクセプトされた場合、著者側が一定の料金を支払うか、白黒印刷にしてもらうかのどちらかを選ぶのが通例でした。


ほとんどのジャーナルがオンラインでも論文を公表するようになり、発表の場をオンラインのみとする雑誌も増えてきた今日では、この状況が少しずつ変わってきているようです。当然のことながら、ウェブ上で発表するにあたっては白黒だろうがカラーだろうがジャーナルがかけるべきコストは変わりません。したがって、より視覚的に魅力的なジャーナルにしようという意図が少しでもあるなら、color figureをむしろ積極的に奨励することがあっても不思議ではありません。実際、日本心臓病学会の英文誌であるJournal of Cardiologyでは、データの見せ方が良くなる限りにおいて、以下のとおりcolor figureの使用を歓迎しており、追加的な費用も要求していません。


“We encourage authors to use color figures where they will enhance the presentation of the data. Any figure submitted in color will be published in color at no cost to the author.”


今後ますますウェブでの論文発表が一般化することが容易に想定されることから、著者の方々は積極的にcolor figureの作成に取り組み、よりよいデータの見せ方を意識することが望ましいと考えられます。

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