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医学の世界のナイキカーブ

ナイキ(Nike, Inc.)といえば、スポーツウェア等を取り扱う世界的企業ですから、ほとんどの方がご存知かと思います。では、「ナイキカーブ」と言われると、何を想像されますでしょうか。多くの方が、シュッという音が聴こえてきそうなあのロゴを思い出すことでしょう。あの特徴的なデザインは、英語でSwoosh(スウッシュ)と呼ばれています。


この「ナイキカーブ」という表現ですが、実は糖尿病治療の領域でも何度か使われたことがあります。まだ一般化したとは言えないので一部の医療者以外の方には馴染みがないと思いますが、糖尿病薬の投与直後にHbA1cが低下し、その後緩徐な悪化を辿る様子を表現したものです。グラフで示したときに、一旦下がってそこから緩やかに上がる様子がちょうどナイキのロゴのように見えます。これはなかなか言い得て妙な表現だと思います。専門家の間でしか通じないjargonの類は“good writing”の敵でしかありませんが、こういった視覚的にもイメージのしやすいフレーズは大歓迎ではないでしょうか。

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