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世話された猫が死ぬ?
“care”という名詞が医学系の論文に頻出する単語です。というより、「ケア」として日常的に使うことがであると言っていいでしょう。では、以下の文の意味がわかりますか?
Care killed the cat.
医療事故によって不運にも患者さんが命を落としてしまうことがありますが、この猫はなにも不適切なケアによって死んでしまったわけではありません。実はこのフレーズは英語の諺のひとつなのです。辞書で“care”をひくとわかるのですが、名詞としてのこの単語は「心配事」すなわち「気にかかること」の意味が第一であり、「注意」「配慮」「世話」「ケア」すなわち「気にかけること」はその次にきます。つまり、この諺の意味は、
「心配事は猫を殺した」=「心配は身の毒」
だったのです。
“A cat has nine lives”(猫に九生あり)と言われるように、猫は簡単に死なない生き物とされているのですが、そんな猫でさえ、心配事のせいで死んでしまう、という意味です。適度なストレスは健康に必要などとも言われますが、心配事が多すぎると人間でなくても生きていくのは難しいようです。
ちなみに形容詞の“careless”は、ご存知の通り「不注意な」という意味ですが、上述の名詞の意味からも連想されるとおり、「心配事のない」「呑気な」という意味もあります。例えば“careless life”というのは、「呑気な暮らし」というニュアンスです。