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ボランティアとvolunteer
先日、タレントの方が少年に脅迫されるというニュースがありました。少年は「慈善活動をしているのに裕福な生活をしているのが許せなかった」そうです。
さてこの慈善活動、英語ではphilanthropyと言いますが、日本では「ボランティア」と同じ文脈で使われることが多いかと思います。当然この「ボランティア」は英単語のvolunteerからきているわけですが、そのニュアンスが日本語と英語では微妙に異なるのではないかと感じることがあります。
日本語で「ボランティア」というとき、善行・奉仕活動を行うこと、それも無償で行うこと、という意味であることが多いように感じます。善行なのだから、当然、より多くの人がやるのが良いということになり、いきおい教育現場では「生徒全員にやらせよう」というような発想が生まれることもあります。
一方、英語のvolunteerには、「無償で」(without pay)いう意味を含むことももちろんありますが、「自発的に」「自ら進んで」(willingly)行動するという概念が中心にあります。例えば、医学研究論文において“All patients participated in our study on a voluntary basis”というとき、「患者は無償で試験に参加した」という意味ではなく(実際そういうケースもあるかもしれませんが)、「患者は自分の意思で試験に参加した」すなわち「研究者が参加を強いたわけではない」と言う意味になります。
こうした背景があるため、日本語で「ボランティア活動」というとき、「無償で行動して当然」と考える人とそうでない人が出てくるのも無理はないのかもしれません。
ちなみに英語のvolunteerの発音に少しでも近づけるならば、“ボランティア”よりも“ヴァランティーア”のほうがそれらしいと言えます。また、頭の部分ではなく“ティ”の部分にアクセントをつけるとネイティブに近い発音になります。