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「データを収集することができた」の英語
日本語で書かれた論文の「方法」の項における記述として、「XX名の患者からデータを収集することができた」という表現は珍しくなく、特に不自然でもありません。では、これを英語で書く場合、どういう表現が良いでしょうか。
We could obtain data from XX patients.
We were able to obtain data from XX patients.
We successfully obtained data from XX patients.
We succeeded in obtaining data from XX patients.
日本語をもとにひねり出して上記のような英文を書いてしまう方は、注意が必要です。これらの英文は明らかに「~できた」の部分に引きずられた表現となっていますが、客観的な記述が求められる論文というフォーマットにおいて、「努力して何とか達成した」「見事にやってのけた」「幸いにもできた」などのニュアンスは必要ありません。加えて、最初の“could”を含む文は、実は実際にデータを収集したのかどうかすら読み手が断定できない文だったりします。何より、日本語の論文における「~できた」は、「~した」の言い換え程度で使われていることも多いです。したがって、
We obtained data from XX patients.
と書くだけで十分なのです。
“be able to”や“succeed in…ing”のほか、“manage to”(何とか~する)などのフレーズも、本当に必要かどうかを見直すとよいかもしれません。