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ジャーナルが背負う責任と自衛策

科学技術論文は研究や調査の結果に基づいて書かれるフォーマルな文書です。センセーショナルな書き方をする必要がなく、得られた所見に依拠して淡々と綴られる性質のものですが、それでもちょっとした不注意から特定の個人や集団の名誉を相対的に下げることになることはあり得ます。そして、仮にその論旨がいかに客観的な事実に裏付けられていたとしても、貶められた当事者にとって許しがたいものであれば、名誉毀損訴訟に発展する場合があります。まして、一般に権威あるジャーナルと考えられている雑誌であれば、世の中に与える影響も大きいだけに、ひとたび敗訴しようものなら高額な賠償金を支払わなければならなくなります。


そんなわけで、一説によるとScienceのような世界的な雑誌ともなると、出版前にお抱えの弁護士にレビューを依頼し、訴訟のリスクを回避するようにしているとも言われています。影響力のある媒体だからこそ必要となる自衛策とも言えますが、それほど有名でないジャーナルであっても、多かれ少なかれそうしたリスクはあるものです。


何らかの賠償責任が責任が生じたとき、発表した雑誌のみならず著者にもその責任は及びます。「内容を確認して出版を決めたのはジャーナルなのだから自分には非が無い」とは人道的に考えても言えません。ジャーナル側としては、多くの場合、投稿規程に下記のような文言を記載し、責任の所在を明らかにしています。


The views expressed in the articles represent those of the authors and are not necessarily the views of the journal. (記事中の見解は著者のものであり、必ずしも本誌の見解を表すものではありません。)


このような文言がなくても、著者の名を明らかにして公にする文書であれば、そのコンテンツに責任を持つことは当然のことです。査読が「甘い」、比較的簡単にアクセプトされるようなジャーナルに投稿する場合は、このような視点から論文を見直すことも重要といえるでしょう。

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