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オープンアクセスを選ぶとアクセプトされやすい?
歴史あるジャーナルでも、オープンアクセスのオプションを提供するジャーナルが増えてきました。オープンアクセスを選択すると、当該ジャーナル購読者のみならず多くの読者に読んでもらえるというメリットがありますが、article-processing feeとして結構な金額を支払う必要があるため、できれば従来の形態で掲載にこぎつけたいと思う方が多いかと思います。
あるジャーナルに投稿する際、従来の購読者のみへの公開とオープンアクセスでの公開のどちらかを著者が選択できる場合、その選択によって差読結果が異なることはあるのでしょうか? 投稿する側の立場からすれば、「費用をこちらが負担するのだから、多少手心が加わってもよいのではないか」と考えてしまうかもしれませんが、科学技術論文の出版倫理の見地から見れば、アクセプト or リジェクトの決定にこの要素が影響を及ぼすことは望ましいこととはいえないでしょう。
とはいえ、この点について明確に言及しているジャーナルは多くないのですが、Plastic and Reconstructive Surgeryではこの点がクリアになっています。同ジャーナルの規程には、
“The peer review and production processes for open access articles published in Plastic and Reconstructive Surgery are identical to those for traditionally published articles.”
との記載があり、オープンアクセスを選択しても従来どおりの査読プロセスを経ることが明示されています。
もっとも、このジャーナルの場合、一次査読を経た後のリバイズの段階にならないと、「オープンアクセス方式を選択するか否か」の選択を著者に尋ねることはないようですので、査読に影響が及ぶ可能性はもともと低いのですが、初回オンライン投稿時にどちらかを選択しなければならないジャーナルがあっても、そこでオープンアクセスを選択したからといってアクセプトされやすくなるなどと考えないほうがよいでしょう。