top of page
  • Writer's pictureTopnotch

オープンアクセスを選ぶとアクセプトされやすい?

歴史あるジャーナルでも、オープンアクセスのオプションを提供するジャーナルが増えてきました。オープンアクセスを選択すると、当該ジャーナル購読者のみならず多くの読者に読んでもらえるというメリットがありますが、article-processing feeとして結構な金額を支払う必要があるため、できれば従来の形態で掲載にこぎつけたいと思う方が多いかと思います。


あるジャーナルに投稿する際、従来の購読者のみへの公開とオープンアクセスでの公開のどちらかを著者が選択できる場合、その選択によって差読結果が異なることはあるのでしょうか? 投稿する側の立場からすれば、「費用をこちらが負担するのだから、多少手心が加わってもよいのではないか」と考えてしまうかもしれませんが、科学技術論文の出版倫理の見地から見れば、アクセプト or リジェクトの決定にこの要素が影響を及ぼすことは望ましいこととはいえないでしょう。


とはいえ、この点について明確に言及しているジャーナルは多くないのですが、Plastic and Reconstructive Surgeryではこの点がクリアになっています。同ジャーナルの規程には、


“The peer review and production processes for open access articles published in Plastic and Reconstructive Surgery are identical to those for traditionally published articles.”


との記載があり、オープンアクセスを選択しても従来どおりの査読プロセスを経ることが明示されています。


もっとも、このジャーナルの場合、一次査読を経た後のリバイズの段階にならないと、「オープンアクセス方式を選択するか否か」の選択を著者に尋ねることはないようですので、査読に影響が及ぶ可能性はもともと低いのですが、初回オンライン投稿時にどちらかを選択しなければならないジャーナルがあっても、そこでオープンアクセスを選択したからといってアクセプトされやすくなるなどと考えないほうがよいでしょう。


Recent Posts

See All

以前のブログにおいて、「Accessed 10 June 2019」のような、前置詞を省略した表記について書きましたが、今回はそれにまつわる内容になります。 日付の前に置く前置詞は一般にonであることはみなさんご存じかと思いますが、それを省略できる場合が意外に多いのです。具体的に言うと、”on that day”、”on the previous day”、”on the following da

論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。 「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」 こんな疑問を持ったことはないでしょうか。 その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理している

多くのジャーナルが論文の単語数に上限を設けていますが、これに従うのが難しいことがよくあります。毎回、簡潔な論文を書くのに四苦八苦される先生も多いことでしょう。なんとか単語数制限をクリアし投稿できたとしても、査読者から「Methodsの情報が足りない」「この既発表論文についても考察せよ」等の指摘をうけ、大幅な追記を余儀なくされることは珍しくありません。では、その際、追記によって当初の単語数制限を超え

bottom of page