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アクセプト後に論文を取り下げたらpublication feeの支払いはどうなるのか
オープンアクセス形式をとるジャーナルの多くは、著者の支払うpublication fee(またはarticle-processing fee)で成り立っています。著者の立場からすると、日本円にして数万円から数十万円するpublication feeは決して安いものではありませんが、支払いはアクセプトされたときにだけ必要になるのが通例ですから、リーズナブルとも考えられます。
では、もし「投稿→査読」のプロセスを経てアクセプトに至った論文を、著者の都合で取り下げた場合、publication feeの支払いはどうなるのでしょうか? このケースについて明確に言及しているジャーナルはあまりありませんが、Food & Nutrition Researchというジャーナルの規程では、はっきりと定められています。
同ジャーナルではpublication feeとして2020米ドル(欧州を除く)を支払う必要があるのですが、publicationに至っていなくても、査読が終わっている場合は565米ドルを支払う必要があり、publicationの寸前すなわち組版まで終えた段階で取り下げると、755米ドルを要求されるようです。
投稿論文が公表されるまでには様々な人々の尽力があり、公表後も、オンラインでいつでもアクセスできるようにするためのサーバー管理費などのコストがかかっています。publication feeを元手に運営しているジャーナルの中には儲け主義の悪質なジャーナルが紛れているのも事実ですが、多くの正当なジャーナルは、そうした資源の然るべき消費があってこそ成り立っており、投稿者は、そのコストを負担する責任が自身にあるということを認識する必要があります。