top of page
  • Writer's pictureTopnotch

アクセプト後に論文を取り下げたらpublication feeの支払いはどうなるのか

オープンアクセス形式をとるジャーナルの多くは、著者の支払うpublication fee(またはarticle-processing fee)で成り立っています。著者の立場からすると、日本円にして数万円から数十万円するpublication feeは決して安いものではありませんが、支払いはアクセプトされたときにだけ必要になるのが通例ですから、リーズナブルとも考えられます。


では、もし「投稿→査読」のプロセスを経てアクセプトに至った論文を、著者の都合で取り下げた場合、publication feeの支払いはどうなるのでしょうか? このケースについて明確に言及しているジャーナルはあまりありませんが、Food & Nutrition Researchというジャーナルの規程では、はっきりと定められています。


同ジャーナルではpublication feeとして2020米ドル(欧州を除く)を支払う必要があるのですが、publicationに至っていなくても、査読が終わっている場合は565米ドルを支払う必要があり、publicationの寸前すなわち組版まで終えた段階で取り下げると、755米ドルを要求されるようです。


投稿論文が公表されるまでには様々な人々の尽力があり、公表後も、オンラインでいつでもアクセスできるようにするためのサーバー管理費などのコストがかかっています。publication feeを元手に運営しているジャーナルの中には儲け主義の悪質なジャーナルが紛れているのも事実ですが、多くの正当なジャーナルは、そうした資源の然るべき消費があってこそ成り立っており、投稿者は、そのコストを負担する責任が自身にあるということを認識する必要があります。

Recent Posts

See All

以前のブログにおいて、「Accessed 10 June 2019」のような、前置詞を省略した表記について書きましたが、今回はそれにまつわる内容になります。 日付の前に置く前置詞は一般にonであることはみなさんご存じかと思いますが、それを省略できる場合が意外に多いのです。具体的に言うと、”on that day”、”on the previous day”、”on the following da

論文の参考文献欄(References)で広く使用されている“et al.”ですが、これがラテン語由来の表現で、一般的な英語でいうところの“and others”にあたるということは既に多くの方がご存じではないかと思います。 「なぜ対応する英語表現があるのにわざわざラテン語を用いるのだろうか」 こんな疑問を持ったことはないでしょうか。 その答えになるかはわかりませんが、論文の参考文献を整理している

多くのジャーナルが論文の単語数に上限を設けていますが、これに従うのが難しいことがよくあります。毎回、簡潔な論文を書くのに四苦八苦される先生も多いことでしょう。なんとか単語数制限をクリアし投稿できたとしても、査読者から「Methodsの情報が足りない」「この既発表論文についても考察せよ」等の指摘をうけ、大幅な追記を余儀なくされることは珍しくありません。では、その際、追記によって当初の単語数制限を超え

bottom of page