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「であろうと思われる」
日本語で書かれた論文を読んでいると、「~が重要であろうと思われる」というような表現が頻出します。日本語で書いているうちは問題ないのですが、こういった断定を避けた表現を英文にするときには注意が必要です。「であろう」や「と思われる」にあたるフレーズ(may、appear、seem等)を多用しすぎると、自信がないのかと思われてしまうおそれがあります。
もちろん、本当に確信が持てず、「可能性がある」と言いたいのであればmayを使えばよいですし、「おそらくそうだろう」というときはprobablyを使えばよいです。しかし、論文中で具体的な研究結果を提示し、考察(discussion)を経た後の結語(conclusion)で「~が重要であろうと思われる」と言うときに、
…seems to be important.
となっていると、せっかくの主張が弱くなってしまう印象があります。
一方、緒言(introduction)において、
「文献レビューに基づけばAという考え方は重要なように思われる。しかしまだ十分に立証されたとは言い難い。よって我々はこのことを確かめるために本研究を行った」と言いたいときは、上記のようなフレーズが適しています。