「両群間」「2群間」と“both groups”の対応関係

「2群間の比較した結果、群間差はなかった」と述べるシチュエーションは大変多いと思います。一般的には、 There was no difference between Group A and Group B. あるいは There was no difference...

Authorship Proliferation

以前もどこかで触れたかもしれませんが、とにかく近年は一つの論文に名を連ねる著者の数が増える傾向が顕著です。一部では、"authorship proliferation"などとも呼ばれている状況です。もっとも、このこと自体が直接問題になるわけではないですが、著者の立場からする...

混同しやすいcritical(ly)とnegative(ly)

論文を査読したりドラフト版の論文に手を加えたりするとき、criticalに行うことが重要です。ただ、このcriticalという語は「批判的な」という日本語に訳されることが多く、あたかも最初から論文の内容に否定的な態度で接することを是としているかのように思えます。しかし、この...

図でストーリーを語る

ジャーナルの投稿規程には、FigureやTableの総数を一定以下に収めるよう定めているものがあります。Case Report(症例報告)などのような比較的短い論文ともなると、「FigureやTableはどちらか一つまで」とするジャーナルも珍しくありません。Original...

述語動詞の出し惜しみ

英語では、主語と述語がなるべく近く(直後)にあるのが理想です。したがって、主語そのものが長かったり主語を修飾する関係詞節などが延々と続いたりすると、読んでいてイライラします。一方、日本語は述語を最後に置く言語ですので、なかなか述語が出てこない長い文でも気にせず読み進めること...

「データを収集することができた」の英語

日本語で書かれた論文の「方法」の項における記述として、「XX名の患者からデータを収集することができた」という表現は珍しくなく、特に不自然でもありません。では、これを英語で書く場合、どういう表現が良いでしょうか。 We could obtain data from XX...

受動態の価値を全否定しない

この3月に発表された慶應義塾大学医学部のTimothy D. Minton先生の書かれた論文が興味深い内容だったのでご紹介します。タイトルは“In Defense of the Passive Voice in Medical...

査読者に嫌われないために

慶應義塾大学の佐谷秀行先生によると、査読者に嫌われる論文の特徴として「IntrodutionとDiscussionが長い」というのがあるそうです。これに関しては100%同意できます。論文の添削をしていると、IntroductionやDiscussionが他のセクションに比し...

英語版「太郎と花子」

申請書などの書類の記入例でよく目にする「○○太郎」「△△花子」の文字。それぞれ男と女の代表として使われていますが、英語にも同じようなものが存在します。それが、“Jack and Jill”です。もちろん“Jack”が男で“Jill”が女ですね。...

医療否定本の否定本

日本医科大学腫瘍内科の勝俣範之先生による著書「医療否定本の嘘」(扶桑社)を読ませていただきました。サブタイトルに「ミリオンセラー近藤本に騙されないがん治療の真実」とあるように、主に近藤誠先生によって著されてきた医療否定本に対する回答の性質を持つ書籍です。...

「動物の命を捧げる」

科学技術論文では、現在でも「実験動物を安楽死処分した」というとき等に“sacrifice”という動詞が使われることがあります。例えば、 The rats were sacrificed under ether anesthesia. というような文はごく一般的にみられます。...

XデーとD-day

日本語では、将来的に重大な事が起こり得ると考えられるとき、実際にそれが起こる日を「Xデー」として呼ぶことがあります。英語では、これと同じ意味で“X-day”という語を使うことは通常ありませんが、別の意味ではいくつか存在します。中でも比較的知られているのは、第二次世界大戦中の...

中枢神経系ではないCNS

CNSと言えば、central nervous systemすなわち中枢神経系のことであることは多くの方がご存知ですが、アカデミアにおいては、科学雑誌の世界で特に有名な3誌であるCell、Nature、Scienceを指す言葉としても使われています。これらの雑誌は、インパク...

“Yes, I have a number.”

今回のエントリーのタイトルですが、直訳すると「はい、私は数字を持っています」ということで、何のことを言っているのかよく分からないですよね。実は、これは英語圏の人々が円周率を憶える方法の一つなのです。 どういうことかというと、“Yes”なら3という具合に、各単語を構成する文字...

“teenager”に関する誤解

「10代の若年者を対象に調査を実施した」などとして、10歳から19歳までの患者を調べた論文を書くとき、当該患者群のことをteenagersと呼ぶ方がいらっしゃいますが、これは正確ではありません。 “teenager”はteenの年齢にある人のことですから、thirteenか...

適切なオーサーシップへの道のりは長い

山崎茂明氏の近刊著書「科学論文のミスコンダクト」(丸善出版)を読ませていただきました。このところとみに問題になっている科学論文の不正の問題について、データや自らの調査結果をもとに述べたアカデミックな内容でした。トピックがトピックだけに、センセーショナルに取り上げる手法も考え...

世話された猫が死ぬ?

“care”という名詞が医学系の論文に頻出する単語です。というより、「ケア」として日常的に使うことがであると言っていいでしょう。では、以下の文の意味がわかりますか? Care killed the cat. 医療事故によって不運にも患者さんが命を落としてしまうことがあります...

JAMJE総会とシンポジウムに参加させていただきました。その2

前回のエントリーに続いて、今回も今年のJAMJEシンポジウムについて書きたいと思います。今回のシンポジウムも、興味深いテーマの講演が多く大変興味深いものでしたが、個人的に注目だったのは安間敏雄氏による「研究不正行為の実効性ある対応に向けて」という講演でした。というのも、安間...

JAMJE総会とシンポジウムに参加させていただきました。その1

先日開催された日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)の第7回総会とシンポジウムにオブザーバーとして参加させていただきました。ご存じない方もいるかと思うので簡単に説明すると、JAMJEは、(1)医学雑誌と編集者の自由と権利の擁護、(2)医学雑誌の質の向上への寄与、(3)著者と医...

その引用文献、今でもavailableですか?

論文が書きあがり、英文の質も問題ないとしたら、いよいよ晴れて投稿です。ですが、ここでもう一度確認して欲しいことがあります。 「Referencesに列挙した参考文献は、今でも入手可能ですか?」 世に出る論文の数は年々着実に増加していますが、今年9月7日の当ブログでもお知らせ...